上に乗っているものはなに?
Smart Shelf (仮) のブレインストーミングをやっています。
アイテムの管理でひつようなのが、ある場所にものが乗った時に、それを同定するシステムです。
今は、あるパーツボックスに小さな箱をポンと置いた場合にその小さな箱がどれか?ということを管理したいのです。
別に、箱をおいた時に、どこかメモに取っておくとか、箱にラベルを書いておけば良い話です。ただ、「ロボットが箱を管理する」というところまで考えると、この辺りを電子化しておく必要があります。
電子ラベリングの手法:iBeacon, RFID
ぱっと思いつくのは、RFID や iBeacon など近距離マイクロ通信の技術です。
確かに、出来そうな感じはしますが、例えば iBeacon は価格が高いのでまず却下。もう少しコモディティ化して欲しいところです。
RFID の場合、一般的な Reader は高いのですが、MFC-522 というモジュールなら一つ$3程度で以下のセットが手に入るようです。
UHF 帯域のRFIDを使えば、ある程度広範囲のRFIDを一つのリーダーで読み取ることが出来ます。常にすべてのIDを読み取っておき、新しくIDが入ってくるとそいつを認識、記録します。
ただ、「そいつがどこにあるか?」に関しては別の方法で指定する必要があります。
上のリーダーを使えば、例えば 4x4 のパーツボックスならば 5000円程度で「RFIDを底に貼った箱を置いたら、そこにそれがあることがシステムが分かる」ようにすることができます。
この値段以下で同等のことをするのは、かなり難しいでしょう。基本的にこの技術を使うことにします。
MFC-522 の多重化
MFC-522 は SPI でデータを送るようですので、こいつを沢山読みたい場合は、多重化をする必要があります。そもそもSPIはマスタースレーブで、選択的にスレーブを選択することができるので、SS (Slave Select) のみを多重化すれば通信先のスレーブを選択できます。
今の場合、一度に通信するのはひとつですので、こういうことがSPIの規格の範囲内で出来ます。
SS の多重化については、HC595 という割とプリミティブなICでできるでしょう。それ以外の線(SCLK,MOSI,MISO) については、3本だけバスを伸ばして、すべてそれぞれ同じ線につなげばいいので、ハードウェア的にも楽です。
また、RFIDは数センチの距離ならば離して認識できますので、パーツボックスの裏に多重化した回路を貼り付ければ、パーツボックス自体にはあまり細工が要りません。ただし、一つの引き出しに一つしかIDを持てません。
本当に必要?
モノを管理するときに難しいのが、ある部品を使った後、決まったところに直さないといけない、という部分です。この技術を使うと、適当に置いても場所は保存出来ます。この部分が一番大きなメリットで、機械が箱の管理をする場合も、適当に開いているところに入れることが出来ます。
また、いつ箱が取り出されたか、等の管理もできますので、使っていない部品の洗い出しも可能です。
また、「あれどこにやったかなぁ」という場合に、探す手間がかなり小さくなるでしょう(これは丁寧にメモすれば済む話ですが、少なくとも「どこに」という部分は自動化出来ます。
必要なのは、「この箱にこのアイテムが入っているよ」と登録する作業だけで、あとはデータはクラウドにでも保存して、共有できるようにすれば共同作業がはかどりますし、(あ、おまえこのパーツもってんじゃんちょっと貸してよ/あ、あのファブにこのパーツあるな。今度行って使わせてもらおう。等)、自分の持っている部品を管理出来ます。お店の商品管理にも使えるかもしれません。
こう考えてくると、デジタル化は単に自分が便利、だけではなく、自分の作業環境を世界に露出する手段の一つ、ということもできると思います。作業環境が共有されれば、アイデアも共有されるかもしれません。つまり、「個人のファブをつなぐ道具」としての利用方法が考えられます。
もう一つ実現したいこと:個数の管理
先ほど、商品管理のために使う、と書きましたが、実際にもう一つやりたいのが、個数の管理です。データの入力をすることなしに個数を管理するには、重さを測るしかありません。
電子パーツのような軽い物(数十ミリグラム)を簡単に、正確に測る方法はあるでしょうか?ひとつは、RFIDリーダーの横に重さセンサを付ける方法です。
軽い物ですので、テコの原理で重さを増幅する必要があるでしょう。
こんなかんじで重さを増幅してあげます。歪みゲージは LM358 を使った作動増幅回路で増幅し、マイコンで読み取ります。。
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